そして、ひと粒のひかり/★★★★

この緊張感に耐えられるか?
そして、ひと粒のひかり [DVD]
この映画は大きく分けて3つのパートに分かれている。
第1幕が主人公が仕事を辞め、また妊娠を告げた恋人と別れ、お金のために麻薬の運び屋を引き受けるまでの青春劇。
第2幕は麻薬をのみ込む練習から始め、NYまで運ぶまでのサスペンス劇。
第3幕はNYで新たな決心をするまでの移民劇。

これだけパートがはっきりとしているにもかかわらず、一貫した映画として成立しているのは、全体がドキュメンタリー調で統一されているからだろう。


それにしても、第2幕の緊張感がすごい。17歳の妊婦が大量の麻薬の粒を飲み込んでいく。ちょっとでも傷が付いて胃に漏れたらおしまい。途中で気分が悪くなって出してしまってもダメ。さらに空港の税関職員にバレてもだめ。
以前、検査で胃カメラの飲んで以来、もう2度と胃カメラだけは飲み込むまいと誓った私は、葡萄を使って飲み込む練習をする場面だけでも気持ちが悪くなった。
それくらいリアルで緊張感に漲っている。


主演のカタリーナ・サンディノ・モレノはこれでアカデミー主演女優賞ノミネート。17歳の苛立ちや無鉄砲さ(無垢とも言えるが)赤ちゃんを宿した女性の強さがよく出ている。

なお、3幕で面倒みてくれたおじさんは本当ににNYで地元のコロンビア人の世話をしている人物。実際に運び屋の遺体を400体以上も故郷のコロンビアに送り返しているとのこと。ホントただものではありません。

あーしんどかったよー。