ゼロ・ダーク・サーティ(2012)/★★★★★

劇場で観られてヨカッタ
ゼロ・ダーク・サーティ コレクターズ・エディション(2枚組) [DVD]
ほぼ劇場公開が終わりとなるタイミングで駆け込みました。
前作の「ハート・ロッカー」のような胃がキリキリと痛むような緊張感ではなかったものの、丁寧に積み上げられたエピソードを見ているうちに本当にCIAになったような錯覚に陥ります。
序盤の拷問から始ってカギとなる人物を見つけるまでのシークエンスを見ているうちに"ああ今、本当に映画を見ている"的な多幸感に包まれました。
こんな映画が観たかったデス。


途中カギとなる人物はすでに死んでいるという情報が入り、やがて仲間もテロの犠牲となります。
そんな失意の中で1つの情報が部下からもたらされます。
そこからは執念の捜査が開始。
本当の敵はアルカイダではなくビン・ラディン捜査を打ち切ろうとするCIA内部の動きであると感じた主人公は上司と対決をします。


2時間38分にも及ぶ長編ですが、全体の2/3までは手掛かりがまったくつかめず徒労を重ねる物語です。
ここを少しでも退屈と感じると長いと思うでしょうが、私は全く飽きませんでした。


やがてカギとなる人物を掴み徐々にその正体に迫りますが、肝心のビン・ラディンが本当はどこにいるのかは、最後の最後まで分かりません。
終盤30分はほぼリアルタイム。
ヘリは墜落させるわ証拠の物件は雑に扱うわで、米軍のいい加減さも含めてドキュメンタリ感が半端ないです。


さて、この映画は現場担当(ジェシカ・チャステイン)視点に立つのか、上司の立場に立つかでかなり印象が違う気がします。
私はジェシカ・チャステイン視点で観ていたので、○日経過と毎日書く姿に「もっとやれ!」と溜飲を下げていたのですが、上司目線で観ている人からすると堪ったもんじゃないでしょう。


DVDで観たらここまで集中できなかったと思うので、ホント劇場で見られてヨカッタです。