ゴジラ(1954)/★★★★★

fwakame2009-10-05

なぜゴジラは日本に来たのか?

ディアゴスティーニの「東宝特撮映画 DVDコレクション」の第1巻。
「990円でゴジラのDVDが買えるなら」と思いきって買ってみた。
結果。大正解。心配していた画像の汚さもなく、中身はおそらく4,000円近くする正規版と同じものと推測される。
しかもパンフレット程度の冊子が付いてくるのだからありがたい。
2巻以降は1,990円になってしまうのでさすがに手が出ないが、欲しいものがあれば買っちゃうかも。


久しぶりに観なおして、やはり傑作であることを再認識。そして昭和29年という”時代”を感じさせるセリフがあちこちに。
たとえば、

「嫌ぁね、原子マグロだ、放射能雨だ、そのうえ今度はゴジラと来たわ。もし東京へでも上がりこんで来たら、一体どうなるの。せっかく長崎の原爆から命拾いしてきた大切な体なんだもの」と若い女
「そろそろ疎開先でも探すとするかな」と若い男。
「あーあ、また疎開か」と年配の男。

とか

「お父さんの所にいくのだから。お父さんの所にいくのだからね。」と幼子を抱えた母親。

など。
ところで、ゴジラが東京を通ったコースは、実は東京大空襲のコースを辿っているというのをネットで見かけた。

世界で唯一の被爆国である日本が水爆実験を繰り返す大国に向けた警告のメッセージが込められているのは誰もがわかるが、その恐怖を現すのが日本人(特に東京に住む人間)にとって最も恐ろしかったであろう原体験が「東京大空襲」であったというのも皮肉である。
なんせ、原爆を落としたのも東京を焼野原にしたのもアメリカなのだから。
ただし「ゴジラ」(”呉爾羅”と書くらしい)という怪獣の姿を借りて、これ以上「水爆」の開発を進めるとこんな悲惨なことになるそ。それを唯一我々だけが知っているぞ!と世界に向けて発信する意義はあったのだと思うし、世界はそう読み取ったのだと思います。


その意味で、ウルトラマンが日本に現れる意味はありませんが、ゴジラが現れる意味は十分にあると思います。

参考
ゴジラが皇居を襲わなかった本当の理由
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20060210/1139557622
ゴジラ反戦映画か? 〜東京大空襲と原爆
http://takenami1967.blog64.fc2.com/blog-entry-4.html
ディアゴスティーニ 東宝特撮映画DVDコレクション
http://deagostini.jp/ttd/