キートンの大列車追跡/★★★★★

ちょっと凄い映画でした。
キートンの大列車追跡 [DVD] FRT-193
公開時は「キートン将軍」でした。乗っている汽車が「GENERAL(将軍号)」というところから付けられたタイトルですが、本DVDでは「キートンの大列車追跡」となっていました。


機関士ジョニー(キートン)が愛するものは2つ。それは自分が運転する機関車と恋人。
この2つが奪われたことから、取り戻しに行くのが前半。取り戻してから逃げるのが後半です。
列車を舞台(というより道具)にしたコメディですが、まるで車を運転するように列車を自由自在に動かしていました。凄いなこれ。

ハイライトは終盤のスペクタクルでしょうが、私は前半で手に抱えたまくら木で障害物のまくら木をどけるギャグが一番ビックリしました。そのほかにも命のかかったギャグがてんこ盛りで、怖くないんだろうか心配になります。ただ観ている間は面白さが先で、そんなこと微塵も感じさせませんけど。


時代を感じるのが、恋人が軍隊に入ることを勧める点です。現代ではとても考えられません。
一応入隊手続きに行きますが、機関士として使えるということで、入隊を拒否されます。何とか入ろうと別人になったり、他人の入隊票?を取ったするギャグが続きますが、結局入隊はできず。
その事に恋人が怒って「アンタとは口きかない」とか言って、いきなり「一年後」って字幕が出ちゃう。おいおい、1年も喧嘩してんのかよ!それもお国のために役に立たないって理由だぜという感じで、かなりズレを感じました。


この現代ではありえない恋人役のマリアン・マックですが、ぽっちゃり型のいもねーちゃんで、とても女優さんには見えません。ただ後半では頭から水を浴びたり、踏んづけられたりと大災難の連続。実はスタントマンだったのかもしれませんね。

製作年が1926年ということは昭和元年の作品。ちょっと凄いものを見た気がしました。

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なお、ファーストトレーディング版で観賞しましたが、途中で色調が変わってしまう以外は、伴奏もいいし画質も悪くないので、安心して観賞ができました。