もしも昨日が選べたら/★★★★

人生に早送りはない?サンドラー主演の傑作コメディ
もしも昨日が選べたら [DVD]
人生を止めたり巻き戻したり、早送りすらできる便利なリモコンを手に入れた男のコメディ。アダム・サンドラー主演。
色んな人生のやり直しドラマということで「バラフライ・エフェクト」や「エターナル・サンシャイン」「バック・トゥ・ザ・フューチャー」あるいは「素晴らしき哉、人生」などを連想する人もいるかもしれませんが、こちらはやり直しが効かないというのがミソ。
過去のシーンの再現はできるけど、やり直すことが出来ない。じゃ何が便利かというと人生のつまらないところや嫌なところを早送りできるというのが嬉しい。
仕事を持ち帰ったはいいが、子供の世話やらカミさんの相手が煩わしくて、早送りしちゃうんですね。
で、その間自分は自動操縦で動くので、血の通わない機械人間になっているワケ。(パーマンのコピー人形を思い出しました)
最初のうちはその便利さを享受していたのですが、やがてリモコンが暴走(説明によるとユーザ嗜好を記憶して、自動的に動作するのが仕様なんだそうですが)し始めてというお話。


リモコンと言ってもTVではなくてDVDのリモコン。
メニュー画面もれば、コメンタリ(=人生の解説)もある。過去に付き合った彼女の一覧(チャプター)もあれば、言語選択もできます。
欲しいなぁ、このリモコン。
私も実際のところ、家にいるとなかなか自分の時間がとれません。好きなDVDを観る時間がなくて、今はひとりで朝早くに起きて観たりしてます。
この暴走?仕様さえなければ、私も1つ欲しいところですが、それはダメなんでしょうねぇ。そういった煩わしさも含めて家族なんだよとさりげなく教えてくれます。
もっと、家族と向き合いなさいよと。ハイッ。

終盤は(見え見えではありますが)泣かせの場面もあったりして、気持ちよく観ることが出来ました。よく出来ていると思いますが、1つ注文をつけるとすれば、オチがありきたりなところでしょうか?どうせなら、同じサンドラー主演の「50回のファースト・キス」ぐらいに突き抜けて欲しかった。私だったら、最後は実は奥さんも使ってたぐらいの話にしますけどね。
◆ ◆ ◆ 
この愉快なアイデアを考えたのは脚本のスティーヴ・コーレンとマーク・オキーフ。この2人はジム・キャリーの「ブルース・オールマイティ」も担当しています。
※「ブルース・オールマイティ」も評判が良いようなので、がぜん観る気になりました。
登場人物たちの過去、未来の姿が見られるのは先の「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のパート2が近いかも。(クリストファー・ウォーケンもなんとなくクリストファー・ロイドを連想させます)
奥さんには「アンダーワールド」で青白い優等生だったケイト・ベッキンセール。綺麗ですね。全然気づきませんでした。本作ではベッキンセールの18歳から50歳頃までの姿が見られます。
その他、前述のクリストファー・ウォーケン、デヴィッド・ハッセルホフ(「ナイトライダー」)、ヘンリー・ウィンクラー(「ハッピー・デイズ」)、ジェニファー・クーリッジ(「キューティ・ブロンド」の変な美容師さん)なども出演。
あと、やたらとサカリのついた"わんこ"も笑えましたが、下ネタも多いので子供と観るのはお勧めしません。

監督は「ウェディング・シンガー」以来サンドラーとは2度目のタッグを組むフランク・コラチ。複雑な時間の変化を上手に見せてうまいと思います。なお、特殊メイクはリック・ベイカー御大が担当しています。

ものすごい技術なのにさらり使って話を上手く見せる。楽しい映画でした。