12人の怒れる男(2007)/★★★★☆

正直こっちの方が面白いんですが。
12人の怒れる男 [DVD]
最初に白状しておくと、オリジナルを見たのが2年前。
【感想】十二人の怒れる男
オリジナルも面白いとは思ったが、時が経ち過ぎて”過去の名作”感が強かった。
しかし、本作はかなり現代風の味付けがされており、映画としてはこちらの方が面白かったです。
現在のロシアが抱える様々な問題がこの事件を通して浮き彫りになるという趣向がはっきりと伝わるし、何より12人のオヤジたちの濃い演技がたっぷりと楽しめる。
(私は医者がナイフを持って反撃するあたりが好き)


ただ、これだけ濃いのを160分たっぷりと見せられるとさすがに食傷気味になるのと、ときどき挟まれる回想シーンやラストの写真の意味などイマイチわからないのが難点。
さらに言うと、オリジナルは「裁判を通じた民主主義」、本作は「陪審員制度を通じた責任」がテーマなので、言ってることがちょっと違う。
だからあの最後の提案が出てるのだろうし、こちらの方が日本人にはしっくりくるような気がする。


ちなみに、最後においしいところをさらっていくNo.2を演じたのは監督のニキータ・ミハルコフ。プロの役者よりおいしいところを持っていくのがビックリ。