歩いても 歩いても(2007)/★★★★

恐くて懐かしい。
歩いても歩いても [DVD]
容姿は全く違うのに樹木希林がウチの母親に見えて仕方がない。話す内容や仕草がどこか母親を思わせます。
最初はうまそうな食べ物やYOUと樹木希林の会話でゲラゲラ笑ってみていたのですが、この家族の過去がちょっとづつわかってくるあたりが実にうまい。
タイトルになった「歩いても 歩いても」(ブルーライト・ヨコハマ)の由来や家に紛れ込んだ蝶、命日に必ず呼ぶ話など恐い話が出てきますが、私が一番恐いと思ったのが子連れで次男の嫁になった夏川結衣に着物を上げながら、「子供は産まない方がいいかも」と言ってのける残酷さが恐い。その前まで「エクボがかわいいとか」言っておきながら、ビールの底を見せるなんて(コップのビールを全部飲むなんて)とチクリとやった後の会話ですよ。
その前に息子に「子供はやめときなさい。別れるのが大変だから」とケロッとして言ってのける。
ああっ、母親ってこうだよなぁ。と心から共感した瞬間でありました。


女優陣はみな光っているが、やはり風呂姿まで見せた樹木希林の凄さがダントツ。
やっぱ家族(家庭)というのは女の人で出来ていると痛感させられる映画でもありました。