アバウト・アダム アダムにも秘密がある/★★★

「誰にでも秘密がある」のオリジナル。構成はそっくりだが印象がずいぶんと違う。
アバウト・アダム アダムにも秘密がある [DVD]
「誰にでも秘密がある」のオリジナル。驚くべきことにエピソードはほとんど同じだが、細かい部分でずいぶんんと違った印象を受け、それがエンディングの違いに繋がっている(なんとエンディングだけが違うのだ)
これをリメイクした人は頭のいい人に違いない。おそらく本作を見て、一番弱いと思った動機づけの部分を「誰にでも」は見事に解決しているからだ。ただしそれゆえに「誰にでも」を受付けない人もいるだろう。
(私は「誰にでも」の方が楽しかった)

さらに、「誰にでも」は細かい部分がより洗練されているし、アジア風の味付けした分だけ日本人にはしっくり来ると思う。

以下、細かな違いを並べると

  • 「誰にでも」は次女が主役だが、本作では三女が主役
  • 「誰にでも」にはキノコと貝の話や露天風呂でのエピソードが追加されておりよりエロくなっている。(本作にも胸チラはあるが、性に対してオープンな分だけいやらしさがない)
  • 「誰にでも」のイ・ビョンホンは徹底していい人だが、本作でのアダムはチョイ悪な男として描かれている。(これがエンディングの違いになって出てくる)
  • 「誰にでも」は偉人たちの名言が引用されるが、本作ではただのセリフである。

ただし、秀逸なコンセプトや時間軸をずらした上手い構成、それぞれのエピソードなどは本作がつくり上げたもの。本作がなければ「誰にでも秘密がある」が生まれて来なかったことは間違いない。