日本沈没(2006)/★★★

退屈せずに最後まで見られたのが救い
日本沈没 スタンダード・エディション [DVD]
1973年のオリジナルは私の大のお気に入り。常時マイベスト10に入るくらい好きです。樋口監督がリメイクした本作は、なるべく見ないようにしていたのですが、とうとう誘惑に負けちゃいました。


結果、思ったよりは酷くない。というか物凄いVFXの波状攻撃に最後まで押し切られたというのが正直なところ。でも見た後には何も残りませんがね。やっぱり。
鑑賞後は延々と巨大なデザートを食べさせられた気分で、結局オリジナルを引っ張り出してきて、口直しにまた見てしまいました(笑)


前作はいかに嘘を真実と思わせるかという部分に多くの時間が割かれていましたが、本作では、その点を最初から放棄しており、前半ずいぶんと飛ばすなぁと思ったら中盤に(少なくとも私にとっては)驚愕のプレゼンテーションが田所教授から提示され、後半は"アルマゲドン"になっていきました。まあいいです。それならそれで。


本作はオリジナルに対するリスペクトを随所に感じます。そっくりなファーストカットや「なにもせんほうがええ」のセリフ。皇族をスイスへ移住させる話や箱根?の山道の場面などなど。でも原作を離れて映画としてみると最も致命的だったのが脚本の弱さ役者の薄さ
まあアルマゲドンにドラマを求めても仕方がないのかもしれませんが。


SMAPが出てるドラマや映画をみるといつも思うのですが、彼らが受けなければもっと違う人にチャンスが回ったんだろうなぁといつも思います。前作だって主役は「仮面ライダー」だったんだから、新人でも何とかなったんじゃないかな。結局、制作費の回収を考えるとこうなっちゃうのでしょうか?。草薙君にとっても見る側にとっても凄く"不幸な事"だと思います。
あと、柴咲コウを筆頭として豊川悦司大地真央及川光博。みんな下手糞。それに引きづられるように石坂浩二國村隼柄本明すら薄っぺらく見えました。何でだろ。脚本ですかね。やっぱり。


もちろんよい点もあって、やはりVFXの凄さと予告編の出来じゃないでしょうか。
もしこの世に完璧な予告というものがあるとすれば、この映画のことだと思います
見知った土地が破壊されていくカタルシス。ハリウッドに負けないぐらいのCG。水中から手だけ出している大仏をみて、この映画を見たくない日本人がいるのかと思いました。
あと主題歌ですね。エンディングだけかと思ったら映画の途中にもPVが流れてました。それも凄いと思います。


品川とか函館とか見知った土地が出てくるので、そのたびに"おおーすげー!"と思いながら見ていました。でもオープニングのターザンだけはやめたほうがよかったと思います。