ザナドゥ(1980)/★★★

ひたすら恥ずかしい風俗と御大の笑顔。
ザナドゥ (ユニバーサル・セレクション第2弾) 【初回生産限定】 [DVD]
ソフトバンクのCMに誘われて、遅まきながら初鑑賞。
オリヴィア・ニュートン=ジョン主演のアイドル映画でございます。


今見るとひたすら恥ずかしい映画でした。
パープルのライト、ホットパンツ、ローラースケート(と、それを肩にかける姿)、ライオンヘア、ピンクのフリル、カリフォルニア海岸の陽光、肩出しドレス、TV風の安っぽいワイプ etc etc。
マジックを唄いながら倉庫?の中をローラースケートで踊るオリビアの姿を正視できるかどうかで、80年代を青春としたかどうかが判断できる仕掛けになっていました。


しかしこの映画にはもう一人の主人公がいます。それは本作が遺作となったジーン・ケリー御大。元クラリネット奏者でクラブのオーナー。現在は実業家として成功した老紳士として登場します。
御歳68歳。御大はすっかり太って恰幅もよく、晩年のピーター・セラーズに激似。枯れた好々爺にも見えますが、中盤でオリビアとペアダンスを踊ります。これは嬉しい。
後半では色々な衣装に着替えてのダンス。そしてプロダクションナンバーとなる「ザナドゥ」では満面の笑みを浮かべながら、若い衆を引き連れてローラースケートダンスを披露してくれます。
もう、涙なしでは見られません。やはり御大は踊っている姿が一番輝いています。

ローラースケートを使ったダンスは「いつも上天気(1955)」ですでに披露しており、実に25年ぶりの復活となりました。


主役のオリビアですが、そういえば動く姿ってあまり見たことがない事に気がつきました。(当時は音楽は聴くものだったのです)
こうしてみるとそれほど美人でもないし、オーラも感じられませんが、歌声はいいですね。同じ年代にファラ・フォーセット・メチャーズ、ブルック・シールズ、ボー・デレクなどがいます。
本作はオリビアのPVとしての側面もあり、ディズニー風のアニメもあったりするのですが、ドラマ部分では逆光で顔の見えないシーンも多く、作品としてはかなり落ちます。
事実、ゴールデン・ラズベリー賞ラジー賞)の名誉ある第1回ワースト監督賞も取っています。


それでも人々の記憶に残るのは「ザナドゥ」という名曲と弾けんばかりの御大の笑顔。これに尽きると思います。


【泣いたら負け】ザナドゥ ハイライトシーン。