ちょんまげぷりん(2010)/★★★☆

錦戸君がすばらしい!でもなぜかラブコメにならず
ちょんまげぷりん [DVD]

ともさかりえさん おめでとうございます
ともさかりえとスネオヘアーが入籍「晴れて夫婦になりました」

現代にタイムスリップした武士がパティシエになってプリンを作る話だって?
いったいどんな映画になるのか興味津々でしたが、「ビック」のようなファンタジー系映画として真面目に作られていて好感が持てました。

特によかったのは錦戸君のすばらしい演技。
いつも背筋が通っていて折り目正しく、凛としている。カツラも似合うし自然体なので現代に迷い込んだ武士として全く違和感がありません。
ところどころに見せ場もあって、ハンバーガーショップでの一喝や"シザー・ハンズ"調理法、最後は見事な殺陣も見せてくれます。いやー男の私が見てても惚れ惚れする男っぷり。
これだけでも見る価値は十分あると思います。

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逆に意外なのは、これが「錦戸亮ともさかりえ」のラブコメにならず、「ワーキングマザーの悩み」のような話になってるんですね。

多くの方が指摘しているように、江戸時代から来た武士(木島安兵衛)がなぜかすんなり現代に馴染み、さらにお菓子作りの腕がメキメキ上がってしまうんです。

セオリー通りならここは時代のギャップに驚きながら遊佐ひろ子(ともさかりえ)に色々教えてもらいつつ、だんだん心を通わせる場面じゃないですか?
その過程でなぜ安兵衛がパティシエに向いていたのかも明かされる(別にたいした理由でなくてもいいんです)
みんなそこを期待しているのに、なぜかスルーしちゃう。ホントもったいないです。


代わりに浮かび上がるのがワーキング・マザーの悩み。
保育園のお迎えでいつも定時に上がるひろ子は、上司からは無能、部下からはお荷物呼ばわりされている。
そこに家事を見てくれる人が現れて、残業ができるようになった途端、デキる女に変身。プロジェクトも任されます。
でも安兵衛が働きに出て自分が残業が出来なくなると「おまえいらない」と追い出す羽目になる。
切実なのはわかるけど、もう少し共感できるキャラにして欲しかったです。
(女の人なら十分に共感できるのでしょうが)

その他にも、出会いのきっかけが弱かったり、地蔵に会ってもいないのに終わっちゃったり、ラストに繋がる伏線があってもよかったりと、もっと練れば面白くなりそうな気がするのですが、かっこいい錦戸君が見られたので満足です。