潮騒(1975)/★★

わかるようなわからんような
潮騒 [DVD]
原作は三島由紀夫の1954年の作品(50年前)で本作は4度目の映画化に。さらに百恵&友和コンビとしては2作目(3作目?)で百恵ちゃんは当時デビュー2年目。


見たらビックリしました。百恵ちゃんが全然可愛くないんです。というか"どこにでもいるおねいさん"といった風情。実際、私の子供頃も同世代よりは大人の方が騒いでいたと思います。
(「百恵伝説」って言ってるのは大人たちで、その辺りがキャンディーズとは違うと思います)


映画はごく普通の青春物で、金持ちのお嬢さんと貧乏猟師の息子の恋物語でした。
ただし、わずか30年前の作品なのに当時とずいぶん考え方が変わってしまったなあと思います。
狭い島とはいえ、"悪い噂"に引き裂かれる2人って、今ではあり得ない展開ですよねぇ。(現代ではこの点はずいぶんと敷居が低くなったものです。)
そのほかにも、結婚相手が親が決めるとか、嫉妬に駆られて噂を流しただけなのに「私の心にはこんな汚れた醜い魂が棲みついて」とかって告白してますし。

ただ、こういった価値観があったのは本当ですし、全くわからないでもない。その辺りが微妙だなと思って見ていました。
"あわび取り競争"で百恵ちゃんが一番になりますが、賞品のバッグを友和の母(初井言栄)にプレゼントする件は、今見てもいい話だなとも思います。


ということで、現代から見ると、わかるような、わからないような、微妙な映画になっていました。

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参考
■いくらおにぎりブログ 【映画】潮騒
楽しいストーリー解説がありました

■山本皓一・Feature/百恵伝説
なぜか伝説なんですよね。


これだけのシーンでも、殺到して見に行った時代がありました。