時をかける少女(1983)/★★★★

わかっていても泣いちゃいました。
時をかける少女 [DVD] 時をかける少女
オープニングは「A MOVIE」から始まるモノクロメルヘン調。中盤は純アイドル映画。同じ日を繰り返し始める辺りからサスペンス調になり、知世チャンを崖から落した後は怒涛のクライマックス。ラストはオープニング風に戻って後日談。
パートによってはっきりと転調しているのがわかります。


こうしてみると、深町一夫(未来名:ケン・ソゴル)はホント酷いやつです。
自分に都合のいい家(息子夫婦と孫を交通事故で亡くした老夫婦)にちゃっかり孫として住みつき、結ばれるはずの二人(芳山和子と堀川吾郎)の間に入って、和子の気持ちを自分に向けさせてしまいます。
本人いわく「ボクは未来の薬学博士でこの時代の植物が欲しくてやってきたんだ」といい訳してますが・・・。


一番罪作りなのが、完全に記憶を消してない(消せない?)点ですな。それが後日談で描かれます。
老婦人は居もしない孫の服を買い続け夫にたしなめられます。老婦人は「ずっとふたりなんですかねぇ」とつぶやきます。←ココ号泣ポイント!
和子は吾郎君との間がギクシャクしたままで、さらに「あなたを決して忘れない」と言っていた、深町君に出会っても結局気がつかないまま。←苦い。実に苦い結末!
結局、かかわった人たちの人生をメチャメチャになってる点に関しては、はっきりと弾劾したいと思います。
半端な記憶操作をするな!


音楽は松任谷正隆ユーミンの主題歌もいいのですが、サントラも一級品。「ねらわれた学園 (81)」もお勧めです。
ただ改めてみると、本編中に延々と流れているのがちょっといただけません。


高柳良一の「時の亡者になっちゃうよ」のセリフの見事な大根ぶりも含めて必見の映画だと思います。