ナイル殺人事件(1978)/★★★★

私の推理映画の原点
ナイル殺人事件 デジタル・リマスター版(ユニバーサル・セレクション2008年第11弾)【初回生産限定】 [DVD]
リマスター版がキャンペーン化されたので、まとめて購入。
この前に「オリエント急行殺人事件」があるのですが私は未見。従って私にとってはこれが推理映画デビューであり、原点なのです。
特に容疑者(ここでは乗り合わせた乗客全員)の再現シーンを必ず入れる手法が新鮮で、これがないと推理映画として物足りなさを感じてしまいます。
(どうやら「バンテージ・ポイント」も同じ手法を用いているらしいのですが)

わかりやすくていいのですが、殺害されたジャッキー嬢(ロイス・チャイルズ)は映画中に何度も何度も殺される上に、当然終盤の謎解きは出番なしでかなりかわいそう(その変わり前半は主役ですが)。
さらにその前の事件もアングルを変え何度も再現され、そのつどアングルや見せ方を変えるので、飽きることがありません。(素晴らしい)。

キャストも豪華でピーター・ユスティノフベティ・デイヴィスマギー・スミスミア・ファローアンジェラ・ランズベリージョージ・ケネディオリヴィア・ハッセー、ジョン・フィンチ、デヴィッド・ニーヴンジャック・ウォーデンとそれぞれ主役級のスターがぞろぞろ。それぞれの演技合戦が楽しめます。(そういったところは横溝正史シリーズにも引き継がれています)

監督は「タワーリング・インフェルノ」「キングコング」のジョン・ギラーミンで本作は1978年の正月映画らしい華やかさがありました。同じ正月映画としては「ジョーズ2」「グリース」「シャレード’79」「ピンク・パンサー4」「グレート・スタントマン」などが公開されています。(懐かしいですねぇ)

なお、本編とは関係ない主題歌がCMで使われ、映画は覚えてないけどこの曲を覚えている人は多いのでは?。

デジタルリマスタ版としてリリースされた本DVDですが、音声がなんと2chのモノラル。せっかくのニーノ・ロータの名曲も全然冴えません。
さらに欲を言えば日本語吹き替えも収録してほしかったです。(テレビ東京でたまにやると、あのポアロの名調子が聞きたくて、その度に見てしまいます)
ぜひともそのあたりを改善した版の再発売を希望します。

それでは、第2段。「クリスタル殺人事件」へ出発!。