クリスタル殺人事件(1980)/★★★☆

原作よりいい?
クリスタル殺人事件 デジタル・リマスター版(ユニバーサル・セレクション2008年第11弾)【初回生産限定】 [DVD]
今度はミス・マープルもの。映画としてはこれが初とのこと。
謎解きとしてはあまり魅力がない(というか力が入っていない)分ドラマに力が入っており、特に殺人の動機となる「凍ったような表情」が印象的。
演じるのは元天下の美女エリザベス・テーラー。リズには刑事を騙そうとして演技をするがバレるとう見せ場も用意されおり、ある意味彼女の映画といってもいいだろう。
そのほかにミス・マープルを演じるアンジェラ・ランズベリー、秘書役のジェラルディン・チャップリンキム・ノヴァクなど女優陣が華々しく演じており、女優陣の演技合戦という趣もある。

ただ目立たないがロック・ハドソンや警部役のヒルデガード・ニールの名演をほめたい。
原作は未読だが、やはり映像化されて生きてくる話だと思う。

監督はガイ・ハミルトン。「007」シリーズでは「ゴールドフィンガー」でスタイルを確立し、その後何本か監督をしている職人監督で、本作でもオープニングの「ナイル殺人事件」を思わせるような劇中劇や時々見せるサスペンス調のお遊びなどが楽しい。
また、映画の内幕物なので、「ジョン・ヒューストンに声をかけるぞ」とか「顔のたるみはドリス・デイに(行きなさい)」や「キューカーのほうが繊細だった」などくすっと笑える台詞があるのもお楽しみ。

次は地中海へ