あなたのために／★★★★

アーヴィングの世界のよう。観終わった後、暖かくなりました。

見ていてジョン・アーヴィングみたいだなと思ったら、やはり原作があってビリーレッツの「ビート・オブ・ハート」の映画化のようだ。

臨月が間近いノバリー（ナタリー・ポートマン）は旅の途中に寄ったウオールマートでボーイフレンドに置き去りにされてしまう。お金もなく困ったポートマンは夜の間ウオールマートに忍び込む生活を続けていたが、やがて出産してしまう。
ウオールマート・ベビーの母として有名になったポートマンはその町でさまざまな人と出会いながら暮らす決心をする。

幸と不幸が次々と起きるが、ドラマが淡々と進むところは「ガープの世界」「ホテル・ニューハンプシャー」といったジョン・アーヴィング作品に雰囲気が似ていてとても楽しめた。こういった映画はアメリカ映画の伝統なのだろうか？

主演のナタリー・ポートマンは努力賞的な好演だが、親代わりとなるシスターのストッカード・チャニングや、姉のような存在でぼろぼろ子供を産むアシュレイ・ジャッド、ちょっとしか出ないのに強烈な印象を残す実母のジョーン・キューザックなど脇役が実に魅力的に描かれるのが印象的。

色々あるけど人生はいいものだと見終わった後に暖かい気持ちになれる映画でした。

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