フラガール/★★★

常磐ハワイアンセンター設立秘話。ダンスシーンに不満。
フラガールスタンダード・エディション [DVD]
確かによくできていると思いますが、絶賛するほどではないと感じました。
その理由として
1.120分の割には長く感じること
2.踊りのシーンがイマイチなこと。
があげられます。

1.の長い点に関しては、プレ巡業に出てからは一気に本番まで行って欲しかった。落盤事故と先生(松雪泰子)との別れのエピソードが入るので、そこでドラマが収束するような印象を受けてしまいます。(特に別れのシーンはいいエピソードだとは思いますが、話の流れを止めています)
2.の踊りに関してですが、このところミュージカルばかり見ているので、それと比べるとかなり見劣りがします。いやアステアやジーン・ケリー蒼井優を比較しているのではなく、その見せ方の問題です。(優ちゃんは悪くない。優ちゃんは悪くない。)
李相日監督はダンスの見せ方があまり上手くないという印象を持ちました。

具体的には

  1. 踊りのカットにスローを何度も挟んでいるところ(結構単調です)
  2. 移動が有効に使われてない事
  3. ハイライトでの見せ場をその前で見せてしまっている事
  4. モブ(群集)とソロの踊りはあってもペアがないところ

などです。
ラストの優ちゃんがソロで出るところは、カメラもステージに上がって引いて欲しかった。(お約束カットですよね?)
また、私だったら最後は絶対に徳永えりを出すと思います。「あれ?夕張にいないのけ?」「わたすがいなかったら踊れないっしょ!」とか言いながらペアで踊っちゃう。
また、そこまでしないと、踊りはすでに見せちゃってるから新鮮さがない。絶対に出てくると待っていたら映画が終わっちゃいました。


色々文句をつけましたが、とても炭鉱で働いているとは思えない富司純子の凛とした姿や(もう一人の主役の)岸部一徳の面白さ、立ってるだけで可笑しい静ちゃんなどのキャストのほかに、意外とセリフが生きている感じがしてドラマとしては上出来だと思います。


脚本は李相日監督と羽原大介さん。羽原さんのフィルモグラフィをみると「ゲロッパ!(03)や「パッチギ!(04)などの井筒作品を書いていますね。
また プロデューサーは石原仁美さんで「のど自慢(99)」「ビッグ・ショー! ハワイに唄えば(99)」など日本では珍しい音楽映画をプロデュースしてます。
そう考えると「井筒組のスタッフが李監督を迎えて撮った映画」なのでしょう。


話は変わりますが、子供の頃“常磐ハワイアンセンター”ってものすごく憧れませんでしたか?今でいうディズニーランドぐらいのステータス。
あの頃はTVCMもあったし、ドラマでもよく使われていたと思います。
今は"スパリゾートハワイアンズ"と名前を変えて、「ちょっとお洒落だけど、なかなか行く機会のないスポット」程度のイメージでしょうが、いまだに行った事のない私にとっては「いつかは行ってみたい憧れの場所」そんな存在です。