バック・トゥ・スクール/★★★★

ありえないけど楽しい。これぞコメディのお手本

事業家として成功した父が大学を辞めたいと言い出す息子の手本になるために自分も入学するコメディ。

経済学の授業では机上の空論に対して実務的な意見で言い負かしたり、現代アメリカ史では「ニクソンの玉なしがブルッたからだ!」と本音を語って教授に気に入られたりと、これが見たかった!というシーンの連続。天文学のレポートをNASAの職員に書かせたり、文学のレポートは実際に本人を呼んで書かせたりと金にあかせてズルしまくり。

結局この不正がばれて大学を追い出されそうになるが、息子の「やればできるっていったじゃないか」の一言に一念発起。見事口答試験もパスし、ピンチヒッターの飛び込み大会でもウルトラCを決め、女教授のハートも射止めらるという話。

ありえないけど、観客の期待しているものをキチンと見せ、サブライズと笑いを提供するつぼを押さえた展開はまさにコメディのお手本。

勉強がダメでも努力をすれば世間的には全然オッケーという話だが、できれば世間的に認められた人がなぜ教育にそこまで固執するかを(小さくていいから)エピソードとして観たかった。(劇中ではただのメロン家の家訓としてしか語られない)

ありえない話だからこそ語られる思いというのがあってもよいと思う。<蛇足>
これが父と息子の話というがのがこの映画のミソ。フツーは父親と娘でしょ。で、娘に虫がつかないように監視したり、嫌われたりって展開もありそうなのに息子にした事によりある意味”漢(おとこ)”の映画になっている。まあその分女性の観客からそっぽを向かれて評価が低いんだろうなとは思うけどね。