ラースと、その彼女(2007)/★★★★☆

キャスティングが成功。おかしくて切ない大人の寓話
ラースと、その彼女 (特別編) [DVD]
なぜかすごく惹かれるものがあって、観るのが楽しみだったんです。
途中までクスクス笑って、なぜか切なくなって、ホロっとくるところもあって。決して声高ではないけれど、観る側にしっかりと伝わるものがある。
村上春樹風にいえば「いい話は小さな声で語られる」って感じでした。
ただ説明がないから、観終わってもスッキリはしないですね。
街の人たちの反応がやたらと面白くて、みんな戸惑いながらも”彼女”の相手をする姿に感動です。


この動かないヒロインに命を吹き込んだのは周りの役者さん達。
ライアン・ゴズリングの繊細さ、くるくると表情を変えるエミリー・モーティマー(大のご贔屓です)、観客の声を代弁する役割を果たす兄貴のポール・シュナイダー、こんな医者いたらいいなと思わせるパトリシア・クラークソン、決して美人ではないけど段々キュートに見えてくるケリ・ガーナー。
みんなイイです。
ある意味キャスティング勝負の映画だと思うので、大正解ではないでしょうか?
観るたびに解釈が変わる。また観たいと思わせる映画でした。