太秦ライムライト(2013)/★★★★★
すみません。舐めてました。
「かつては繁栄を誇った京都・太秦で、斬られ役一筋の大部屋俳優が新人女優を育て去っていく。チャップリンのライムライトの時代劇版」
BSコラム:NHK | 映画 | ■渡辺支配人のおしゃべりシネマ館■「太秦ライムライト」 by 渡辺俊雄
と聞いて、それ程期待せずに録画したのですが、観ていてぐいぐい引き込まれ、なぜか途中から熱いものがこみあげて来て、あれっ?オレはなんで泣いてんだ?となり、最後は号泣でした。
一言で言うと「蒲田行進曲」版の「竜二」といったところでしょうか?
それ程でもなさそうに見えるのは、何と言っても主役が寡黙というより朴訥すぎて映画というよりドキュメンタリを見ている気分にさせられるのが大きいと思います。
ただ、脇の役者が何気に豪華で、時代劇の主役役が松方弘樹というのはいいとしても、飲み屋のおかみが萬田久子!しかも和服姿!には驚いた。
あれ?なにこれ?ドキュメンタリじゃない?作りすぎじゃね?
さらに本多博太郎はじめ周りの役者がうまいうまい。
だんだん目が離せなくなります。
中盤のクライマックスとなる新人女優の初撮影シーン。
あっだめ。ここで一気に涙腺が崩壊。
以降ずっと「なにか」に感情が揺さぶられます。
ラスト。福本清三の一言。それを受ける松方弘樹。テンションMAXの中。一瞬あれれと思わされるのも計算のうち。美しい俯瞰のショットが涙でぼやけます。
監督は落合賢。ハリウッドで生活し何本か撮った撮った人だそうですが、とにかくテンポがいいのとアクションになると、画面に俄然生き生きとしはじめます。
いや、いい拾いものの映画でした。
夏には劇場版として公開されるそうですが、観に行っちゃうかもしれません。
ウルヴァリン:SAMURAI(2013)/★★★★
ウルヴァリンは2度死ぬ
日本描写にところどころ違和感はあるが、思ったより楽しく出来ていてこれはこれであり。
ヒュー・ジャックマンが秋葉原を走っている姿を見るだけで観る価値は十分にあるし、外人(!)が見たい日本のエッセンスがすべて入っている気がして興味深い。
TAO(マリコ)もいいが何といっても福島リラが死ぬほどカッコいい。
50年近くたっても日本が舞台になると「007は二度死ぬ」から抜け出せないのはなんでかね?
クロニクル(2012)/★★★☆
こだわって作ったPOVに驚き
全くの予備知識なしで観たので、一体にどうなるやら息をのんで見た。
ただの超能力者話ではなく、青春物語であり、虐げられた少年の物語になっているのが素晴らしい。
ただ終盤に行くにつれどんどんエスカレートしていくので途中からついていけなくなったのも事実。
徹底したPOVでここまで見せる事が出来るのにも驚き。
かぐや姫の物語(2013)/★★★★☆
なんかスゲー物観た
なんか、よくは分からないけど「スゲー物観た感」があって、劇場で観てヨカッタです。
常にかぐや姫の主観で描かれているのにかぐや姫の心情は一切セリフに出てこない。
最後に「月の使者」を呼んでしまった理由(わけ)だけ語られます。
ここまで丁寧に描いているのだから、もっとカタルシスがあってもよさそうなものなのに、全然すっきりしません。
このあたりが高畑勲作品なのでしょう。
ふと、何かの折に場面を思い出す。そんな記憶に残る映画だと思います。
なお、公開前に6分間の予告を公開していますが、そのデキがめちゃくちゃよくて、ある意味こっちの方がカタルシスを得られるという不思議な現象は「ハウルの城」を思い出します。