バンコック・デンジャラス(2008)/★

このひどい改変に怒り。見る価値なし
バンコック・デンジャラス デラックス版 [DVD]
「レイン」「the EYE 【アイ】」で注目を浴びたパン兄弟のハリウッド資本によるセルフリメイク。
先にオリジナルの「レイン」を見ておいてよかったです。「レイン」を見てから「バンコック・デンジャラス」を見ると、「バンコック・デンジャラス」だけを語っても意味が無い事が分かります。
つまり、オリジナルは「”耳の聞こえない殺し屋”が女の子に恋をするが、最後は自分を育ててくれた兄貴分の敵を討つ話」だから成立するのであって、殺し屋が耳の聞こえない女の子に恋をしてもドラマにはならないからです。


なんでこんなことになったか推察するに、ハリウッド資本でリメイクする条件としてニコラス・ケイジを主演させることが決定したが、ニコラス・ケイジでは”耳の聞こえない殺し屋”の演技が出来ないため、かわりに兄貴役を与えたと。
さらにニコラス・ケイジをよく見せるするために「4つのルールを持つ凄腕殺し屋」だの「耳の聞こえない女の子との恋物語」だのを付けたため、結果的に訳の分からない映画が出来上がったからだとと思われます。


自分で決めたルールを勝手に破って「なぜそうしたのか分からない。多分自分と同じ目をしていたからだろう」じゃたまったもんじゃない。ロマンスシーンも相手が耳が聞こえないので、ただ黙ってあちこち行くだけ。オリジナルの名シーンだった、ラストのあの行為もここではなんで?としか思えない。もうぐだぐだですよ。


この脚本を見てパン兄弟も困ったんじゃないですか?「レイン」が良かっただけにとても残念です。
また、ハリウッド資本の割には全然お金が掛かってない。アクションとして見られるのはボートチェイスぐらいで、むしろ表現的にはオリジナルよりずっと落ちると思います。


ハリウッドリメイクの悪しき見本のような出来に噴飯モノでした。