チェイサー(2008)／★★★★★

こんな映画見たことない。恐ろしいほどの才能

元刑事だったが今はデリヘルの店長をしているジュンホ(キム・ユンソク)が次々といなくなるデリヘル嬢の行方を捜すうちに連続殺人鬼ヨンミン（ハ・ジョンウ）と出会い、徹底的に追い詰める
というありそうでなかった設定に感心。

さらに謎解きではなく最初から犯人と犯罪を観客へ見せ付ける衝撃とそれを追うジュンホ。さらにジュンホの妨害（犯人への手助け）となる警察の三つ巴の対決となる展開もいい。
そこに加えて最後に失踪したデリヘル嬢（ソ・ヨンヒ）の娘（キム・ユジョン）をつれて犯人を追いかける展開にも感心した。

どギツイ表現のあざとさ、間抜けな警察のユーモア、殺人鬼ヨンミンの恐ろしいまでの狂気と全力で疾走し続けるジュンホの執念。
そこに母をなくした娘の絶望と個性あるれる警察のやつら。（あと店長の手下もいい味出してました）
これだけの要素が入って面白くないはずがない。
「オールド・ボーイ」「殺人の追憶」の流れを汲みつつ、新たな犯罪映画を生み出したナ・ホンジン監督は自ら脚本も書いており、しかもこれが長編初監督。
恐ろしい才能が現れたものです。