クライマーズ・ハイ/★★★★★

日航機事故を取り巻く新聞記者達の群像劇。抜群に面白い。
クライマーズ・ハイ [Blu-ray]
日航機事故を追う記者たちの話だが、未曾有のネタ(事故)に遭遇した新聞記者たちの高揚感(クライマーズ・ハイ)に焦点を当てて描かれる。必然的に日航機事故そのものに関してはそれほど深くならないのは仕方ないか。
ただし、社内抗争やワンマン社長、足を引っ張る上司や横やりを入れてくる他部署など出てくるキャラがいかにもで、観ている間はすっかり堤真一になりきっておりました。(”あるある”みたいな)


これだけの人物を整理した手腕も素晴らしいが、シーンの切れ目の処理が抜群にうまく、原田監督の力量を感じる。
また、本作の中で記事を読む場面が2回あるが、どれも心に染みる名場面だと思う。
そして最も気に入ったのは、これだけ人間関係でぶつかり合い、言いたい放題なのにどこか根底に共感が感じられるところだ。だからどんなにお互い罵倒し合っても嫌味に聞こえない。(ただし山崎努の役は別)


堤真一の熱演、堺雅人の冷静な記者ぶり、尾野真千子の献身ぶりが印象に残るが、その他のキャストもみなはまり役ばかりで、日本にもこんなに名優がたくさんいるんだと改めて感心した。