告発のとき(2007)/★★★☆

監督の頭の良さを感じさせるが、実感としては湧かない。
告発のとき [DVD]
ポール・ハギス脚本・監督の第2作目。
退役軍人のトミー・リー・ジョーンズが息子の失踪の真実を追いかける中で、イラク戦争がさまざまな人々に与えた傷(=アメリカの病巣)をえぐりだしていく物語。


「クラッシュ」では少々あざとく感じた部分が本作ではあまりなく、淡々としているよいうに見えるが、むしろこちらの方が監督としての力量を感じた。
捜査の表には立たず、鋭い推理で周りを動かしていくトミー・リー・ジョーンズ。シングルマザーでトミー・リー・ジョーンズにけなされながらも事件の捜査にのめりこんでいく女刑事のシャーリーズ・セロン
その他「ダビデゴリアテの逸話」や「事件の発端となった携帯のビデオ」「さかさまになった星条旗」「女刑事に相談に来た女性」など様々なエビソードがから絡みながら「イラク戦争」というものをあぶりだしていく手法にポール・ハギスの頭の良さを感じた。


ただ、実感として感じるにはアメリカはあまりにも遠すぎ、他国のことと切り捨てるには身近すぎると思う。
実話をもとにしているそうだが、なぜ殺害に至ったのかがよくわからない。