グレン・ミラー物語/★★★★

グレン・ミラーの生涯。脚本が工夫されている。
グレンミラー物語 [DVD] FRT-295
スウィング・ジャズ創始者グレン・ミラーの伝記映画で、ミラーの名曲の数々を聞くことができます。これを見るといかにミラーの音楽が耳に馴染んでいるかよくわかります。


ミラーの人生自体は意外と平凡で、売れない時代はあったもののそれほど大きな大きな挫折はありません。その分ドラマ上の工夫がされていて、面白い映画になったと思います。


本作ではグレン・ミラー(ジェームズ・スチュワート)はとても"やんちゃ"な人物として描かれていています。
恋人のヘレン(ジューン・アリソン)に突然電話して夜中に家を訪ねたり、そのまま両親の実家に連れて行ったりします。さらに3年も経ってから突然NYに呼び出して、いきなり「結婚しよう」と言って一緒になっちゃったりします(ヘレンもよくOKしたなあと思いますが・・・)

また、このヘレンがよくできた嫁で、ミラーが作曲家をあきらめると「失望した」と言って奮起させ、自分の楽団を持ちたいと言えば、へそくりをポーンと出しちゃう。またこの嫁には特殊な能力が備わっていて、人生の転機になると首筋がぞくっとするんですね。
これがドラマの上でもアクセントになっていて、チャンスになると嫁が首筋を撫でるので観ている側にもあっ、ここが転機だ!と分かる仕組みになっています。


また、それぞれの名曲が出来た経緯もドラマに織り込まれており、茶色の小瓶などはアレンジを変えて何回か聞かせた後、ラストに我々のよく知っている曲が流れるので感動も2倍、3倍増しになるという憎い演出もあります。


最後はパリに移動する飛行機で行方不明になったミラー。音楽的には実に偉大な人だったと思いました。

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なお、キープ版で観賞しましたが、標準的な画質で視聴には問題ありませんでした。また字幕に曲の題名が出るもGOOD。先日の「若草の頃」とは雲泥の違いです。