夜も昼も/★★☆

コール・ポーターの生涯(ミュージカル風味)。細かいところが面白い
夜も昼も [DVD] FRT-178
こちらは作曲家のコール・ポーターの伝記映画。ただしミュージカル作曲家だったせいか、ずいぶんとミュージカル風味になっています。


青年時代に運命の人リンダ(アレクシス・スミス)と出合ったコール・ポーター(ケイリー・グラント)はその後転機となる度にリンダと出会い、やがて結婚をするのですが仕事に夢中になりすぎてリンダと別れてしまいます。
やがて落馬事故で足を負傷し、その後20数回に及ぶ手術を受けた後、失ったものの大切さに気づき和解します。


実人生が波乱万丈だったせいか「グレン・ミラー物語」のような脚本上の工夫はあまりなく、その代わり歌と踊りがふんだんに盛り込まれていました。とは言っても突然踊り出す訳ではなく、楽譜屋の売り込みで歌ったり、ポーターが曲を提供したミュージカルの舞台であったりとあくまでも現実路線です。


また、ショーのために資金集めに奔走したり、練習のために自宅の庭を開放したりとショービズ界の裏側が見られるのも興味深いところです。


私が気に入ったのは、最初の運命の出会いで従妹と間違えてキスするところ。アレクシス・スミスの戸惑った表情がとてもよかったです。
また、出てくる女の人たちがどこか変わっていて、リンダに頼まれてポーターの歌を歌う姐さん歌手やマダムと呼ばれる度にビックリする秘書、ポーターを"だし"に金持ちを連れてくる従妹など、キャラの立った女の人が多いのもポイント。


ただ、とても残念なのは知っている曲が「エニジング・ゴーズ」*1と「ビギン・ザ・ビギン」しかなく、タイトルにもなった「夜も昼も」は聞いたことありませんでした。それが残念。「地中海殺人事件」では知ってる曲ばかりだったので、すごく期待していたのですが、騙された気分です。もう1回見ようかな?>地中海


ダンスシーンはずいぶんと頑張っていると思いますが、ポーターが踊るわけではないので、まあ豪華なショーを見ているような感じ。終盤の「ビギン・ザ・ビギン」は延々と踊っていました。


2004年には「五線譜のラブレター DE-LOVELY」で再度映画化されているようなので、そちらも観賞したいと思います。

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なお、キープ版で観賞しましたが、標準的な画質で視聴には問題ありませんでした。