SPL 狼よ静かに死ね／★★★

感情移入はできないが、雰囲気を味わうのであればなかなか

ハードボイルドカンフー刑事アクションとでも言いましょうか。
設定では刑事と悪の親玉の対決となっていますが、ほとんど権威を悪用したヤクザ集団と地域のドンと言った趣で、観ていて感情移入もできなければ共感もできません。

ただ、その見せ方がいいですね。

"あの"サモ・ハン・キンポーがのっけからハードな雰囲気で出てますし、途中で復讐劇に賛同し始める"布袋寅泰似"の新任人刑事（ドニー・イェン）もカッコいい（アクション監督も兼任）。また、"長塚京三"似の暴走デカ長(サイモン・ヤム)も男の哀愁が出てました。
さらにめちゃめちゃ強い茶髪の凄腕殺し屋や、そのほか部下たちもいい味が出てます。
また、最初と最後を飾る海岸のシーンはモロ北野映画。それでもぐっとくるものがありました。
あと、ハードな雰囲気をかもし出す（ケバい）ライティングや美術もなかなかですし、メロドラマチックな音楽も映画を盛り上げてくれます。

と言うことで、ラストの展開も含めて、雰囲気を味わうにはなかなか楽しい映画でした。