シンデレラ・リバティー/かぎりなき愛/★★★★★★

これぞドラマ!
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海軍の水夫のジェームズ・カーンが休暇中に出会ったのが酒場の女マギー(マーシャ・メイソン)。彼女には肌の黒い11歳の息子がいるが、ナイフを持ち歩きビールもタバコもやっている非行息子、カーンがついお節介をし始めるところからだんだん惹かれ始める。しかしメイスンのお腹には別の男の子供がいたのだ。驚き苦悩するカーン。しかしそれを承知でやがて一緒に暮らし始め、やがて結婚を決意するがメイスンが売春婦であることを理由に海軍は結婚を認めない。貧乏で生活もままならない日々だが唯一の楽しみは生まれてくる赤ん坊の事だ。ところが7ヶ月の早産で生まれたはいいが結局死んでしまう。荒れるメイスン。結局夜の仕事に戻ってしまう。
給料のいい地中海行きの仕事を受けるカーン。大金をもって尋ねた家には息子だけ。メイスンは息子を置いて出て行ってしまったのだ。明日は出航。息子を一人にするわけにはいかない。海軍の職を他人に譲り息子と生きていくことを決心するカーンであった。

まず、朴訥な水兵を演じるジェームズ・カーンが素晴らしい。モットーは下品な言葉は使わない、嘘をつかない、女を殴らない。愚鈍なくらいの正直さがそのまま人生を生きる力になっている。酒場女のマーシャ・メイスン(「グッバイガール」「オードリー・ローズ」)はこれほど色っぽいとは思わなかった。だんだん惹かれていく姿と夢を見ないようにとすぐに皮肉を口にしてしまう二人の距離感が実によく出ている。

音楽はジョン・ウィリアムズ。ハーモニカのテーマが印象的。監督はマーク・ライデル(「黄昏」)。

さらに、カーンの吹き替えの羽佐間道夫(ロッキーの声も担当)が実にうまく、この放送は永久保存版に決定である。