ヒア アフター(2010)/★★★☆

3.11以降はこの映画を見るためにちょっと勇気が必要なのねん
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津波のシーンは息を止めて観ていましたが、思ったよりダメージがありませんでした。
テレビで散々観た映像の恐怖が薄れつつあるのか、迫力はあるけどリアルさに欠けていたのか(多分両方だとおもうけど)それほどの嫌悪感は感じませんでした。
そこさえ越えてしまえばあとは実に静かで淡々とした映画なのでゆっくり見ることができます。


わかったような、わからないような不思議な映画で、キーワードは「ディケンズ」だと思うけど、調べてません。
それよりブライス・ダラス・ハワードがすごくよくて、料理教室での目隠し味見のエロさといい、霊能力者と知るや興味津津の眼差しで見つめるあたりといい、すごく魅力的な存在になっています。(「許しを求める程の父の仕打ち」ってのも気になります)
逆にセシル・ドゥ・フランスや双子のエピソードなどは、観客は彼らの行動を見つめるだけで、共感させる作りにはなっていない気がします。


この"へんてこ"な脚本を書いたのはピーター・モーガン
自身は製作総指揮もしてますし、スピルバーグフランク・マーシャルも巻き込んだビックバジェット映画にしたのも、この人のような気がします。
過去には「クイーン」「フロスト×ニクソン」「くたばれ!ユナイテッド」の脚本も書いている大脚本家じゃないですか。
大脚本家のトンデモ映画として橋本忍の「幻の湖」を思い出しましたが、さすがにイーストウッドが監督しているだけあって、トンデモ映画にはなっていないと思います。


ところで、この映画3.11の影響で上映中止となったせいか、amazon.ukで日本語字幕・吹替え付きのディスクとして話題になりましたが、日本語版が発売されている今では、それほど魅力がないかもしれません。

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今見ると£12.00(約1500円)+送料。日本では3,300円程度なのでまだ日本の方が割高ではありますが、早晩1,500円キャンペーン入りするのは明らかなので、急がないのであれば日本版の方がいいと思います。
それ以前に、この作品に対してどの程度の価値を見出すかという問題はありますが。