僕の大切な人と、そのクソガキ(2010)/★★★★

マリサ・トメイが見たくて
僕の大切な人と、そのクソガキ [DVD]
イタい(痛い・イタい・遺体)映画は苦手なのだけれど、つい借りちゃいました。
なぜならマリサ・トメイが出ているから。
てっきり"イタい"のはクソガキ(ジョナ・ヒル)だけかと思ったら、全員イタかった。
前妻に離婚されて引きこもりになったダンナ(ジョン・C・ライリー)のイタいこと。もともとイタい容姿の上に悲観主義コミュ力ゼロ。
パーティに参加すれば相手がドン引きになるなる。見ているのがつらいほど。
そこに現れた天使のようなマリサ・トメイ。「あなたの良さが判るのは私だけよ」とばかりにアタックされる。もう天にも昇る気持ちのところが、実はトンデモナイ過保護ママ。
ケータリングの料理で玉ネギが入っていたと文句を言う息子に平謝り&もう2度と使わないと約束。朝は必ず公園に散歩。21の息子相手にくんずほぐれつのスキンシップ。ドン引きの溺愛ぶり。
そしてクソガキ。最初は猫を被っていたが、母親を取られまいとあの手この手で邪魔をする。それがあまりにも巧妙で、周りも騙されるんですな。
まず、夫婦の部屋のドアは閉めさせない。(ええぇ!いい事できないジャン)。思わず閉めてコトをいたそうとすると、奇声をあげて母親を呼ぶ(パニック症候群という病気(仮病)なのでしかたがない)
僕がいちゃダメなんだと、一度は家を出るが結局戻ってくる。(それも夫婦水入らずで盛り上がりかけた時に傍にいたみたいな登場っぷり)


見ての通り、誰ひとり感情移入できないままに物語は進んでいくが、最後は一応の解決をみて3人が一緒に暮らすかのような場面で終わる。
ドキュメンタリー風の撮影で、見ていて盛り上がりがあまりないが、3人の役者が実に巧い上に機微のようなものが描かれていて、意外と好感が持てる。
ただ、正直マリサ・トメイじゃなかったら見なかったな。


余計なことだけど、ジョナ・ヒルがあまりにも巧妙すぎてラストの展開は何かの罠に見えてしまう。それくらいジョナ・ヒルの演技が巧すぎて、見ていてどこまでがウソかわからないんデス。