ドロップ(2009)/★★★☆

前半と後半で全くの別モノ。中学生は見ちゃダメです。
ドロップ スタンダード・エディション [DVD]
宇多丸さんが「好きになれないタイプの映画」と言っていましたが、見ると言っていることが判るような気がします。
ただ、DVD鑑賞のせいかコントのようなやり取りもそれほど違和感を感じず、"漂白された暴力"や"漂白された不良"もTVのブラウン管で見ている限り、至って普通に映るのでした。(むしろ血糊や傷痕の方が違和感がありました)
マンガのカットバック(それがビックリするほど似てる!)やテンポのよい進め方に、メチャメチャ面白いなと思ってみていた口です。


ところが、あの2人とも和解し、さあ卒業式となった時に衝撃の新事実が!


「まだ、1時間しか経っていない」


えっー!、あと半分あるの!?。このまま第2話(高校編)に突入?(ホントに高校入学後、1日で停学にはなるのですが・・・)。
そこからの展開の遅いこと、遅いこと。
クライマックスとなる大格闘シーンと並行して目を疑うようなカットバックと唐突に起きるアクシデント、その後に信じられないほど陳腐な病院シーンとかアホみたいな旅立ちの場面とかイタい場面が続出します。


まるで、前半と後半で全く別の監督が撮ったとしか思えないヘタレぶりにビックリしました。
こうゆうのってハリウッド映画に多いパターンではありますが、まさか邦画で見るとは。

後半をばっさり削って100分ぐらいにすれば、(TV向きではありますが)傑作になったと思います。


ちなみに、一緒に見ていた息子1(中1)は、すっかり入れ込んでしまい、成りきって見ていました。

「人間そんな簡単に死なねーよ」とか言いながら、金属バットで人様の頭をフルスイングしないかと、とても心配です。


あと、ヒロインがビックリするほど影が薄い。全体的に女性陣が全く輝いていないので、女の人を描くのは苦手なんじゃないでしょうか?>品川監督。