ボルト(2008)／★★★

劇中劇がすごい。3Dで観たかった。

ディズニーのＣＧアニメ。
ジョン・ラセターがデイズニー本体に入ったせいか、ピクサー風味が入っているのがおかしい。
たとえば冒頭の疾走感は「Ｍｒ．インクレディブル」。過去に飼い主に捨てられたため、極度に人間嫌いになってしまうのは「トイ・ストーリー２」。アメリカ中を旅する表現も「トイ・ストーリー２」だ。
またディズニーのよい点である女友達のキャラクタが面白いのは「チキン・リトル」のアビーに通じるものを感じた。

こういたピクサー・ディズニーの両方の良い面が出ているにも関わらず、ピクサーのような深みも普遍性もないので今までのディズニー作品とあまり変わらない様に見える。
ハリウッドの内幕物という設定の段階でそういったものを捨て去ってしまったのだろう。
さらに言うならボルトが”スーパーパワーを持つ”という設定にした時点ですでに負けだと思う。
（劇中劇とはいえ）目から光線を出した瞬間にこれはダメだと思った。

ただし、1点だけ抜群にイイ所があって、それが冒頭10分間のアクションだ。
ここだけは何度でも観たいほど完璧な仕上がりだ。これは３Ｄで観るべき作品だと思う。