路上のソリスト(2009)／★★

響くものがない

主役もいい（「ジェイミー・フォックス」「ロバート・ダウニー・Ｊｒ」）し、出てくるキャストもいい。
監督も「つぐない」のジョー・ライトだし、音楽（クラシック）がふんだんに使われている。
さらに言うなら、エビソードが細かく重ねられているし、出てくるたびに奇抜な衣装やメイクで楽しませる”ナサニエル”の造形も悪くない。
もっというと、新聞社や浮浪者達の場の雰囲気の出し方が抜群だと思う。

でも、観ていて響くものが全くなかった。
なんでだろ。
それは、おそらく監督自身に伝えたいものがなかったからだと思う。
実話に基づくストーリーで、あまりドラマを作れないのはわかるが、主役のどちらにも感情移入出来ないうえに、ナサニエルがなぜそうなってしまったかの説明もない。
街で見つけた才能あふれるホームレスとそれを記事にしたコラムニストがいるだけだ。
少なくとも私にはそう見える。