フェイク シティ ある男のルール(2008)/★★☆

よくも悪くもキアヌ次第
フェイク シティ ある男のルール<特別編> [DVD]
キアヌ・リーヴスの刑事ものと聞いて、なんとなく「ビバリーヒルズ・コップ」とか「48時間」のようなものを想像していったのですが、途中からだんだん話が複雑になっていって、これはキアヌ・リーヴスに向いてないのではないか?と危惧し始め、何度も別のキャストを思い浮かべながら観賞しました。
見ると脚本がジェームズ・エルロイ(「L.A.コンフィデンシャル 」)だったんですね。
ステイーブ・マックイーンとかロバート・デ・ニーロとかが合ってる気がします。
ただ、この無表情の(ミス?)キャストのおかげで話は読めても、主人公の行動が読めず、面白く見られたのも確かなので、まあよしとしますか。


以下ネタバレ
自分なりに話を整理すると、
フォレスト・ウィッテカーの部署は極悪人に対しては法を超える対処を行ってきたと、その批判を抑えるために金をバラまき、相手の弱みを握り、そのおかげで自分の地位もどんどん上がってきたと。
ただし、斬込み隊長であるトム・ラドローだけはそのことを知らず、純粋にはみ出し者の刑事として悪人に対して”断固たる対処を取ってきた”と思っていたわけです。(こいつだけがものすごい”天然”)

ただ、フォレスト・ウィッテカーの権力が増大するにつれ、上層部も鼻につき始めてきたと、そこに内部告発者であるワシントンのタレコミがあって、フォレスト・ウィッテカーも見過ごすことができず、強盗に見せかけて殺したと。
ただし、たまたま”自分をタレこんだ”と勘違いしたトム・ラドローがその現場に居たものだから、持ち前の正義感(使命感)からワシントン殺しの犯人を付きとめずにはいられなくなって、色々と調べ始めたと。
そこに”おとり捜査員”の存在もからんで、話はややこしくなるのだが、結局は事件をもみ消そうとする自分の部署のメンバーとの対決になり、最後はフォレスト・ウィッテカーとの対決になる。
ボスを殺しちゃうのもビックリなんだけど、これだけの”からくり”と”自分の使われ方”がわかった上でまたバッチをつける。

よくわからないのが、ここまで自分をコケにされて、まだ刑事やるのかなと。ここは間違いなくバッチを捨てる場面じゃないですか?
「冗談じゃねぇ」と極悪人に対処するには”警察”と言えども悪に染まらないと断罪することができないとわかった上で、またバッチを手にする。
まるでそれが”自分の仕事”とでも言いたげな雰囲気に”お前ナニサマ”と思いました。
また、キアヌから「正義感」とあ「使命感」があまり感じられず、「ボクの仕事」程度にしか感じられないので、がっかりするんですな。
これがうまい役者だったら、その全てを飲み込んだ上で「俺が必要だろ」というセリフが活きるラストシーンになったんですがねぇ。
うーん、残念。