ワールド・オブ・ライズ(2008)/★★★★
リドリー・スコットの余裕を感じる。
観ていて「ミュンヘン」を思い出したな。ドラマというよりドキュメンタリを見ている感じが似ていると思う。
いろんなピース(シーン)が組み合わさって物語を紡いでいく。
そのどれもが面白くて観終わった後にお腹がいっぱいになる。
CIAの上司ラッセル・クロウは常にイヤ・ホーンをしていて、いつでも電話に出られるようになっている。
子供の世話をしながら、遠く離れたアラブに指示を送っているのがとても現代的。衛星からの監視映像もしかり。
全然”戦争”って感じがしないのが印象に残る。
”ハニ”ことマーク・ストロングがいい。ディカプリオも体を張った感じが出ている。もう彼のことを”大根”と呼ぶ人などいないだろう。
音楽はマルク・ストライテンフェルト。「プロヴァンスの贈りもの」以降リドリー・スコット作品に参加しているようだ。印象的なスコアこそないが、雰囲気を盛り上げるのがうまいと思う。
リドリー・スコットも巨匠としての余裕が出てきたのか肩肘を張らずともこんないい作品が撮れるようになったのだから大したもんだと感心した。
満足。