ブラインドネス/★★★☆

見えなくなったのではない。最初から見えてなかったのだ。
ブラインドネス スペシャル・エディション(初回限定生産2枚組) [DVD]
シティ・オブ・ゴッド」「ナイロビの蜂」のフェルナンド・メイレレス監督作。
突然目が見えなくなる病気が蔓延して収容所に入れられた眼科の医師と一緒に付き添った妻(ジュリアン・ムーア)が収容所で体験する恐怖を描く。
パニックものかと思っていたら2/3は収容所の話なので、どちらかというと「エス[es]」に近いかもしれない。
特に食料を独占した男が”女を差し出せ”と言い始めるあたりが強烈。


なぜか裸がやたらと出てくる映画で、サングラスの女が失明する場面、視力を失って裸で生活する女、食料と引き換えに体を提供する女たち、シャワー代わりに雨の中で体を洗う女3人(ジュリアン・ムーア、アリス・ブラガ、木村佳乃)などなど。
これって意味があるんだろうか?
いきなり日本人(伊勢谷友介)から発病するし、日本人同士は日本語で会話するので、純粋な洋画とは違う不思議な感覚に襲われる。


フェルナンド・メイレレスの特徴として、何気ないショットやカットを拾うのが上手いと思う。本作でもそれは存分に発揮されていると思うが、それとこの作品のテーマとがうまく結び付いていない気がする。
収容後を出た後の荒廃した世界は、大規模なロケとともに見応えがあった。

終盤で「今が一番幸せだ」「見えなくなったのではない。最初から見えてなかったのだ。」という言葉が印象的。