その土曜日、7時58分/★★★★☆

些細な綻びから破滅への道へ。ルメットが放つ傑作!
その土曜日、7時58分 コレクターズ・エディション [DVD]
かつての猛打者(シドニー・ルメット)が凡退ばかり繰り返し、すでにだれも見ていない時にホームラン。みたいな感じ?


時間軸をずらしながら徐々に明らかにされる事実。ちょっとした掛け違いからその綻びが広がっていく様子が丹念に描かれ、次はどうなるのか興味が尽きない。
フィリップ・シーモア・ホフマンイーサン・ホークアルバート・フィニーも見事だが、やはりご贔屓のマリサ・トメイの頑張りがうれしい。
「レスラー」で助演女優賞にノミネートされたのも記憶に新しいし、作品を選ぶ目の高さがここでも証明されていると思う。

結局、女性達に翻弄された兄弟が破滅していく話にもとれるが、そこには自分の娘すら含まれているのが男としてはやるせない。
これが初となるケリー・マスターソンの脚本は素晴らしいを通り越して凄みさえ感じる。要注目。