007/カジノ・ロワイヤル(2006)/★★★★★

原点回帰。アクションの傑作となって帰ってきた
007 カジノ・ロワイヤル デラックス・コレクターズ・エディション(2枚組) [DVD]
故あって007を見るのは封印していたのですが、コレクターズ・エディションがこの値段と知ってつい買ってしまいました。
ロシアより愛をこめて」を超える面白さと言ったら言い過ぎか。
生身のアクションにこだわって展開されるスリルとムキムキの肉体派ダニエル・クレイグ
前半はアクションで魅せ、後半はカジノで魅せる。
2時間超えてからさらに大きく変わる展開に驚き、エンディングのセリフと音楽にしびれる。
現代アクション映画としては完ぺきじゃないですか。これ。

ただ、これが007映画かと言われると違和感があるのも確か。実際次回作の「慰めの報酬」もストーリーとしては繋がっているらしく、ダニエル・クレイグ=”半ジェームズ・ボンド”のポジションが一番合うのでしょう。

ところで、ダニエル・クレイグってよく見ると若い時にカーク・ダグラスに似てませんか。演技力もあり、拷問シーンなんかはその痛さに笑っちゃうくらい。
むしろボンド・ガールのエヴァ・グリーンの方が精彩を欠いている気がして。
敵役のマッツ・ミケルセンは悪役としては小粒だが、本作のトーンには合っており、カジノシーンでは手に汗握りました。



意外なのが監督が「ゴールデンアイ」のマーティン・キャンベルということ。
こんなにうまい監督だと思わなかっただけに驚きました。アクションシーンの数は少ないがしつこいぐらいに展開するので満足感があるし、カジノシーンのように監督の力量が試される場面でも緊張感が途切れることがない。
ただ、これほどの出来でも続投がないのが007映画のすごいところで、ボンドという材料をいろんな監督に調理させるあたりに歴史を感じさせます。


閑話休題

007映画ではこれまでも、やりすた時に原点に戻ることが多く、その度に復活している。
私を愛したスパイ」「ユア・アイズ・オンリー」「ワールド・イズ・ノット・イナフ」など
コネリー時代の作品はきちんと見たことがないが、封印が解けたらじっくりとみたいものです。