未知との遭遇(1977)/

こんなだっけ?
未知との遭遇[ファイナルカット版] デラックス・コレクターズ・エディション [DVD]
劇場公開されたのは1978年の春で高校の合格祝いに親父と見ました。
SFの嫌いな親父にしては珍しく付き合ってくれたのですが、どうにも消化不良だったようで、なぜか映画のハシゴをすることに。もう1本は「ロッキー」でした。
本作は見なかったことになっていたようで、「あのボクシングに映画は面白かったな」と時々言ってました。
その親父も昨年の暮に亡くなって、30年の歳月を感じます。


公開当時は徹底した秘密主義のパブリシティで、(当時の予告編がDVDに収録されています)予告に収録されている本編映像はほんのわずかしかなく、スチールも”デビルズタワー”と巨大UFOぐらいだったと思います。
逆に、道を進みながら”第1種接近遭遇とは”などと説明するシーンばかりが印象に残っています。興行的にどうかは置いといて、批評家たちからはかなり酷評されていたイメージがあります。


たしかに随所に演出が光っていたものの、スピルバーグ自ら書いた脚本だったせいか、ストーリーが独りよがりだったり、大真面目で”友好的な宇宙人”を描いていたり、宇宙人がチープだったりと問題が多いことも確か。見る人を選ぶ映画だったと思います。


今回、ファイルナル・カット版でみましたが、30年ぶりとは言え、こんなシーンあったっけ?と思うことしばし。
私のイメージでは、リチャード・ドレイファスがUFOに取りつかれてデビルズタワーに行く話がもっと長く、周りのエピソードはもっと少なかった気がするのですが。
この”取りつかれて”あたりが怖くって、夜中に家族を連れだしたり、ポテトで山を作ったり、突然家の窓から土を投げ込んだりと結構怖いです。デビルズタワーの潜入場面も長すぎますね。
その意味では作品のトーンが捕まえづらく、大金を与えられて「好きなもの撮っていいよ」と言われて撮ったスピルバーグのプライベート・フィルムの色彩が濃く出てますね。


ブレード・ランナー」「E.T.」「スター・ウオーズ」しかり。そのあとで再編集してもいいけど、初公開版は絶対に残してほしいものです。