ひまわり(1970)/★★★★★

卵24個のオムレツ!。
ひまわり《デジタルリマスター版》 [DVD]
戦地に赴く前のつかの間の休日を利用して愛し合うアントニオ(マルチェロ・マストロヤンニ)とジョバンナ(ソフィア・ローレン)。アフリカ戦線行きを嫌ったアントニオにジョバンナはある提案をする。
「私と結婚したら?」
結婚をすると12日間の休暇がもらえるのだ。その気はないと返事するアントニオだが次のシーンはいきなり結婚式!(笑)
昼も夜もわからないくらいに愛し合う2人の最初の食事が卵を24個も使ったオムレツ!。アントニオの祖父が新婚で作ったというオムレツに挑戦するが、あえなくダウン。
散歩に出た二人だが、空襲に襲われる。いっそう離れがたくなった2人は、今度は精神病を装った狂言を演じるが結局ばれてしまい、アントニオはシベリア戦線に送られてしまう。
戦争が終わっても、便りのないアントニオ。決してあきらめないジョバンナにまわりは段々ついていけなくなる。とうとう、自ら探し行くことを決意したジョバンナは、単身ロシアに乗り込む。


初めて訪れたロシアはとてつもなく広く、しかも言葉もわからず戸惑う。アントニオの写真を差し出し、無言で尋ねまわるジョバンナ。しかし偶然にも見つけたアントニオには、なんと妻も娘もいたのだった。


ヴィットリオ・デ・シーカ監督によるメロドラマの傑作といわれていますが、ロマンスというより、本当にあった愛の物語という感じで、かなり切ない場面があります。


髪が白くなり疲れきった様子のジョバンナ。
夫が亡くなったといわれる、広大なひまわり畑と十字架の並んだ墓碑銘。
ジョバンナの姿を見て一瞬のうちに察するロシア人妻。
アントニオの姿を見つけ、思わず逃げ出すように汽車に飛び乗るジョバンナ。


やがて、ジョバンナの元にアントニオが尋ねてきます。「もう一度やり直さないか。2人で逃げ出そう」と誘いますが、ジョバンナはすでに再婚し息子まで。(あの赤ちゃんはソフィア・ローレンの実子だそうです)。
時の流れは無情にも2人を引き裂いてしまいました。


ヘンリー・マンシーニの音楽と共に本当に切ない話でした。


7分でわかる「ひまわり」。