ハッピーフィート(2007)/★★★★★

よく考えられている
ハッピー フィート 特別版(2枚組) [DVD] Happy Feet
劇場でも観たのですが、DVDで改めて再見しました。
(劇場鑑賞時の感想は→こちら)
たまたま「ライアンを探せ!」を見た後だったので、かえって本作の良さが引き立って見えました。
本作を見ると、なぜ3Dなのか(2Dではないのか?)がよく分かります。
ジョージ・ミラーは「ベイブ」での実績はあるものの、3Dアニメはこれが初監督。企画の段階でよく研究していると思います。

■自由なカメラ移動

動きのすばやいシーンでカメラが追跡する視点を豊富に取り入れ、さらにカットを割らずに表情のアップがよく出てきます。そのほかにも遠景や縦の構図が多く、それを移動しながら見せるのが特徴的です。

■リアルさの追求

南極の自然を実に美しく再現しています。またペンギンのデフォルメの仕方がリアル寄りになっており、ペンギンの顔は原則みんな一緒。"ほくろ"をつけたり、痩せ型にしたりして工夫しています。(5人組は羽を伸ばしたりしてキャラクタを描き分けてますね)
確かに、グロリアと母親以外の皇帝ペンギンは見分けが付かない。マンプルがなぜか成長しても子供顔なのは仕方のないところでしょう。
それでも、動物たちの表情は豊かで、特にグロリアは喜怒哀楽がよく出ています。
グロリアのあきれた時の目の表情が見事で、リアルとデフォルメの絶妙なバランスが素晴らしいと思います。

■大量のオブジェクト

ペンギンの生態ともマッチしているだけでなく、群舞のシーンでも威力を発揮。"3D"と"ペンギン"の組み合わせを見つけ出した段階で、すでにこの映画は「勝ち」だったと思います。

■さらにミュージカル仕立て

これに「ムーラン・ルージュ」式の有名な曲を使って、ミュージカル仕立てにしたのがミソで、本当に良く考えられていると感心しました。
ただ、足の短いペンギンとタップは残念ながら合いませんな。素晴らしい足の動きもパタパタしているようにしか見えません。(その分誤魔化しやすかったかも)
私は、ブリタニー・マーフィーの"愛にすべてを"(クイーン)、"ブギー・ワンダーランド"(EW&F)。それからロビン・ウィリアムスの"マイ・ウェイが好きです。



英語音声も聞いてみましたが、二コールキッドマンはかすれた声でささやくような話し方をしていました。
たぶんモンローの話し方を真似ているのでしょう(役名のノーマ・ジーンはモンローの実名です)。
そういった細かいところも見る楽しみになっていると思います。