マルクス一番乗り/★★★

バレエと黒人コーラスが印象的。でも毒は薄め
マルクス一番乗り [DVD] FRT-199
マルクス兄弟7本目。MGMに移籍してからは2作目。
前作の「マルクス兄弟オペラは踊る」よりはグルーチョの毒は薄めでしたが、その代わり水上カーニバルのバレエと黒人のコーラスに力が入っていました。そのどちらもストーリーとはあまり関係しないので、まるでMGM作品とマルクス作品が同居したような感じでした。


それでも、喜劇らしさは残っており、競馬場でチコがグルーチョをカモにするところは、コント55号を思い出しました。
チコが予想屋グルーチョを騙すのですが、暗号で勝ち馬名を書いた紙切れを売りつけ、「これでは分からん」と言うと、暗号本を売りつける。さらにオス・メスで見る箇所が違うといって名鑑を売りつけるといった具合。


そのほかにも、診察室での騒動やグルーチョを騙そうとする女を追い出すギャグなどもあります。基本的に「破壊による笑い」が中心でした。
また、今回もチコとハーポがそれぞれ演奏を見せてくれます。


あと、最後の競馬の出走を遅らせるギャグは結構大掛かりで、その後の競馬シーンも含めてアクション映画として醍醐味も味わうことができました。
今と違ってCGではないので、馬の腹をすり抜けたり、暴れ馬のすぐそばに人を立たせたりと別に意味でハラハラします。


私が一番笑ったのは、口のきけないハーポがマッチに火をつけて「クビ」と教えるギャグです。

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なお、ファーストトレーディング版で観賞しましたが、視聴には問題ありませんでした。