ユナイテッド93/★★★★☆

9.11を追体験する再現ドラマ。管制官がかっこいい。
ユナイテッド93 [DVD]
管制官には実際の人物が出ているそうで、真に迫っている。
前半は無線に応答しなくなった飛行機(アメリカン11便)が事故なのかハイジャックなのか焦点。
1機目が貿易センタービルに追突してもまだ起きたことが信じられず、2機目が追突した辺りで戸惑い、ペンタゴンが火事(と報道されている)と知らされた辺りで、ユナイテッド93便の物語に移る。


ドキュメンタリ構成なので音楽はほとんど使われない。
遺族への配慮が最大限にされているので、いわゆるパニック物のような登場人物のドラマがなく、
観ている側としては、"映画を観る"というより"その場にいる"感覚に襲われる。
それがこの作品(及び監督)の狙いだろう。


好感が持てたのは、犯人側も言葉は通じないが同じ人間であるという描き方をしていた点で、
これがハリウッドで作られた事にアメリカの成長を感じる。
実際、メイキングで語られる遺族の憤りは犯人達ではなく「政府」であった。


ある意味前半の管制官たちの活躍が見所。
ちょっと格好よすぎるきらいはあるが、責任ある立場の人たちは真摯に職務を果たすという点で、何度も観たいと思わせる。
ただ、これが「映画か?」と聞かれると微妙。

    • -

絶好調のポール・グリーングラス監督は現在「ジェイソン・ボーン」シリーズの3作目「The Bourne Ultimatum」を作成中。予告編が公開されています。
■Bourne Ultimatum Film Feature - Yahoo! Movies UK
アメリカでは2007/8/17の公開予定。