トランスアメリカ/★★★★★

とても暖かい映画でした
トランスアメリカ [DVD]
性転換手術を来週に控えて、突然息子と名乗る青年から連絡を受けたスタンリー改め”ブリー”。手術に必要な同意書をセラピストからもらうため、仕方なく会いに行ったのだが、なんと息子はストリートの男娼をしていた。息子を育ての親に返すために故郷に帰る旅に出るが・・・というお話。

もっと暗い映画かと思っていたのだが、笑いを交えて軽いコメディのようなタッチでこの複雑な関係と道行きが描かれる。いやー暖かいねぇ。


この作品はなんといってもフェリシティ・ハフマン抜きでは存在しなかった映画。それくらい”オカマ”になりきった演技が凄い。どう凄いかというと「トッツイー」でダスティンホフマンが女性になりきったぐらい、いやそれ以上の徹底振りで言われないと女だって絶対判んないよ。実は男であることがバレる"あるシーン"のためにイチモツをつけるぐらいの熱演だもの。
また、「デスパレートな妻たち」ではまったく違う顔で出ているらしいので、そちらもぜひ見てみたい。


ただ、よく見ると暖かいだけでなく、結構ブラックな面もあって、息子のトビーが家を出た理由やブリー自身にも暗い過去があったり、最後はトビーが(夢ではあったが)あまり胸を張れない職業についてみたりなど、ダークな面も持っているが、さらりと描かれるので変に深刻にならないのがよろしい。

エンディングで聞いた事のある歌声だなぁ思っていたらドリー・パートンでした。「9時から5時まで」が大好きだったけど、あれから20年以上経つのに全然声が変わらないのね。すげー!


この映画のblogを見ていて、カルヴィン(ブリーに惚れるインディアンのおっさん)はブリーが男であることを知っていたんじゃないかという指摘がありました。うーん深い。
■TRANSAMERICA BLOG
2006/8/17「ビューティフル・ドリーマー」

主演女優賞はリース・ウィザースプーンなんかより、絶対こっちのほうがふさわしかったと思うのだが、その判断は「ウォーク・ザ・ライン/君につづく道」を見てから。