ヒトラー 〜最期の12日間〜/★★★★
作られることに意味がある。さて日本は?
サブタイトルにあるように、終戦前の12日間の出来事なので、いきなり砲撃を受ける所から始まって、前半はずっと爆撃にさらされる地下壕でのやり取りが続き、後半は覚悟を決めたヒトラーの最後と終戦の日まで。
扱っている内容が内容なので映画というより大掛かりなドキュメンタリのような雰囲気で、おそらく徹底的に検証を行ったであろうことは想像に難くない。(そういえば、どことなくNHK的な雰囲気も感じる)。こういった映画は作られ多くの人に見られることに意味があるのだろう。
歴史に詳しくないので、誰が誰だかわからないのが悔しいが、分かっていればより深く観ることができたのだろう。
その中で一番しんどかったのは、子供たちを眠らせる場面だ。ゲッベルス夫人(コリンナ・ハルフォーフ)の感情を押し殺した姿はとても演技とは思えず、こみ上げるものがあった。
日本の天皇も「太陽」という作品が近年発表され、ようやくドイツに追いついたかと思ったが、これはロシアの監督の手によるもの。日本では黒木和雄作品を除けば「男たちの大和」とか「出口のない海」とか「ローレライ」とかそんなんばっか。作らないのか、作れないのか。「硫黄島からの手紙」がイーストウッド監督によって作られているのに・・・。