ナニー・マクフィーの魔法のステッキ/★★★
エマ・トンプソンのファンになりました
妻が亡くなって1年が経つブラウン家の夫(コリン・ファース)と7人の子供たち。
大きな屋敷に住んでいるが、家賃だけは妻の伯母(アンジェラ・ランズベリー)から援助を貰っていた。しかし子供たちの面倒を見てくれる後妻を1ヶ月以内に貰わないと、援助は打ち切ると申し渡される。
あわてて、結婚相手を探す夫。しかし、事情を知らない子供たちは継母を貰うことに反対で、やってくる乳母(ナニー)たちを全てを追い出してしまう。
17番目の乳母に逃げられ、万策尽きたブラウン家にやってきたのは、マクフィーばあや(ナニー・マクフィー=エマ・トンプソン)だった。
原作はイギリスの児童文学書「ふしぎなマチルダばあや」で、エマ・トンプソンが惚れ込んで脚本化したそうだ。出てくるエピソードは原作に忠実らしく、実際に見ていてあれれ?と思う箇所がいくつかある(ロバを人間に見せたり、子供の一人が伯母に引き取られたりなど)。確かに読んでいて楽しそうだが、ここは映画化の難しさだろう。
マクフィーばあやは魔法の杖を持っていて、これがしつけに効果抜群。
たいていは子供のいったウソや言い訳が本当になる魔法で、その場のがれのウソがどれほど高い代償を払うか、子供たちに身をもって教えてくれる。(ワシもこんな杖が欲しい)
マクフィーばあやは子供たちが学ぶべき5つのことがあるという。それは、
- 夜は寝ること
- 朝は起きること
- 服を着替えること
- 人の話を聞くこと
- 言いつけを守ること
そして、レッスンが終了するたびにマクフィーばあやは(なぜか)綺麗になっていく。
■ ■ ■
とにかくエマ・トンプソンを見ているだけで楽しい。徹底してブスに変装した姿(大きなほくろと繋がった眉毛、1本だけ飛び出した前歯など)は一歩間違えばコントになりそうなのに、エマ・トンプソンが演じると違和感がなく、本当に魔法使いらしく見える。
また、子供たちのウソに「・・・あらそう・・・」杖をトン!。で子供たちが大慌て。毎日子育てに追われる親としては見ていてスカッとするねぇ。
本作のマクフィーばあやは、主人公でありながら常に受けの立場。セリフは少ないが、決めの表情がキリッとしながら、どこか暖かいのが魅力。いやーすっかりエマ・トンプソンのファンになってしまいました。
ところが、それ以外がどうもいただけない。児童書をそんまま映画に持ってきたために、どこか話がおかしいし、演出も過剰。○○○サンドや○○の釜茹では明らかにやりすぎ。
さらに、未亡人に求婚するところは、明らかにコント仕立てで笑いを取る場面なのに、全然笑えない。
ただ、最後のケーキ投げだけは楽しかったな。
最後にマクフィーばあやの名言集
「あなた達が 私を必要としなくても 私は ここにいるけれど
あなた達が 私を必要としても 私が必要でなくなれば、私は ここから 消えて行く・・・。」
あと、立体切り絵のようなエンディングが楽しませてくれた。