アンダーワールド DTSエクステンデットエディション/★★★

ド派手アクションとケイト・ベッキンセールが魅力の吸血鬼VS狼男の戦い
アンダーワールド DTSエクステンデッド・エディション [DVD]
吸血鬼(バンパイア)と狼男(ライカン)の戦いを描くゴシックアクション。
マトリックス」や「ヴァン・ヘルシング」「ブレイド」などとの類似が指摘されているが、女性が男性を連れて逃げ回るうちに好きになる展開は「ターミネーター」に近いと思う。(その割にはサービスカットがないなあと思ったら、2にはちゃーんとありました)

吸血鬼VS狼男といっても、戦いはほとんどガンアクション。お互いに撃って撃ってうちまくる。しかしお互いに不死身の体なので、撃たれてもその場に血を流して倒れるだけで死にはしない。・・・はずが時々死ぬ奴もいる。その時は特殊弾があたっていると思うべし。

気に入ったのは、ケイト・ベッキンセールのキャラクタ。青白い顔で無表情、そのくせどこか寂しそうで、ボスに反抗している割にはちゃーんと屋敷に帰ってくる律儀さも持っている。なんかクラスに一人はいた影の薄い女の子が、一生懸命に体操しているような"はかなさ"がよい。これはケイト自身のパーソナリティがにじみ出ているからだろう。
もう一人気になったのは、ケイトに対抗意識を燃やすエリカ(ソフィア・マイルズ)。どこかで見たことある人だなーと思ったら、「サンダーバード」のレディ・ペネロープでした。好きだなーこの人。

監督はこれが初の長編作品となるレン・ワイズマン。製作や原案にも名を連ねているので、この世界観はこの人が作ったのだろう。見た目重視、ビジュアル重視のド派手アクションは確かに癖になる。ただノリで見る分にはいいが、案外この人、演出は下手なんじゃないかと思う。実は暗い場面が多いせいか途中で寝てしまい、2回目を見直して、やっと意味がわかった。

一例を挙げれば、オープニングの場面。
ケイトが建物から飛び降りるシーンはメチャかっこいいが、その後何やってるかがよくわからない。(実はある男を追っているライカンを追っている)。
また突然ライカンが「いるぞ!」と叫んで銃撃戦になるが何に気がついたのかも判らない。(つけているバンパイアに気がついた)
さらに銃撃戦で撃たれた女性(実は人間)に、突然男が「大丈夫だ!」といって、助けに行くのも判らない。(これが追われていた男で、医師という職業柄助けている)。
全体的に説明用のショットが抜け落ちている感じで、2回目をみてやっとやりたいことが判る場面があちこちにある。

なお、本エディションは"12分の追加シーン"、"11分の差し替えシーン"さらにDTS-ES音声が追加されているそうだが、オリジナルを見ていないので、どこが追加で、どこが差し替えなのかはわからない。

ただ、DTS音声は確かにすごい。このDVDを持っている人は、たぶんサラウンド環境でガンガン鳴らして、お気に入りのシーンを何度も繰り返してみているのだろう。
悩ましいのは、通常版が現在セール中で1,980(1,608)だが、DT版では4,935(3,664)と倍以上値段が違うこと。(私は買うほど欲しいとは思わないが)

作品としてみるとイマイチだが、何度も見たくなる魅力があるのは確かだと思う。


参考サイト
■帰ってきた買っとけ! DVD"