俺たちに明日はない/★★

見ておいたほうがいい程度
俺たちに明日はない [DVD]
アメリカン・ニューシネマの傑作!」と紹介されることが多いのだが、よく見るとどうってことはない。そもそも二人の出会いも唐突なら強盗に走る動機も描かれない。それよりフェイ・ダナウェイの色っぽさや兄嫁(エステル・パーソンズ)のネクラさ、ボニーとクライドは性関係がなかったことなどの方が驚き。

物の本をみると当時「ヘイズコード」と呼ばれる倫理規定があり、煽情的なシーンや暴力シーンは全てカットされていたが、本作は検閲を受けずに公開された第1作だったとのこと。そう考えるとラストのシーンなど、ここぞとばかりに弾を撃ち込む理由もわからんではない(いや、実際そうだったからだろうけど)。同じ強盗物なら「明日に向かって撃て」のよほど映画的だし完成度は高いと思う。

それより、どんどん人の車を乗り換えかり、買出し代わりに強盗したり、人を銃で撃ったり、撃たれれば血が出たりとそれまでの映画の約束(=一般常識)を破る描写が新鮮だったんじゃないないかな。

ことあるごとに引き合いに出される映画だから見ておいたほうがいいとは思うけど。