シュガー・ラッシュ(2012)/★★★★★

よく練られた世界観が気持ちいい

川崎チネチッタの日に見に行く予定でしたが、2Dしか上映しないのでTOHOシネマズの3D吹替えで子供たちと観ました。
それほど3Dを強調している訳ではありませんが、やはり迫力が違うと思いますし、いくつかのゲーム世界に応じた3D感が設定されているので、3Dをお勧めします。
ただ、作品自体がよくできているので2Dで観ても十分楽しめると思います。


ディズニーというよりほとんどピクサー作品のような内容でした。
ゲームが終わると自分たちの世界に戻るのは「トイ・ストーリー」ですし、列車でゲームの世界を行きかうのは「モンスターズ・インク」のドアレールを思い出します。
その他に、ピクサー的な描写が随所に見られますし、徹底的に練りこまれた世界観とよくできた脚本はピクサースタジオそのもの。
昨年の『塔の上のラプンツェル』につづき、ディズニーの春アニメはハズレがありません。


物語は

  • 「フィックス・イット・フェリックス」(70年代)
  • 「ヒーローズ・デューティ」(2000年代)
  • 「シュガーラッシュ」(90年代)

とそれぞれ年代の違うゲームを行き来しながら物語は進んでいきます。


序盤、アメリカ映画によくあるグループセラピーの形をとりながら、この世界(映画のルール)を描きますが、実に簡潔で手際よく説明していきます。
感心したのは、その世界観。
ゲームの中からガラス越しにユーザの姿が見え、調整中の紙が貼られたことがゲーム住人たちにも分かります。
さらに向こう側におかれたゲーム機の姿も見る事が出来ますが、これが終盤に伏線となって生きてきます。
シューティングゲームではユーザの視点はモニタの形となってゲームに参加しており、ゲームキャラたちはユーザと共に戦闘を行います。
実にうまい設定です。
またラルフがパックマンのサクランボを取って食べているのも御愛嬌でした。


また随所に色々なゲームキャラが登場しますが、一瞬でも知っている音が鳴ると「あっ!知ってる」となるものです。
私はディグダグの音が一瞬鳴ったのに気がつきましたが、色んなネタが仕込まれているようで、DVDが出るのが楽しみです。


驚いたのですが、予告ではラルフとヴァネロペの関係しか出てきませんが、実はフェリックスとカルホーン軍曹の恋も同時進行して描かれています。
この「ヒーローズ・デューティ」が場面がめちゃめちゃ格好よくてもっと見ていたいと思わせられますし、"ツンデレ"カルホーン軍曹に萌えました。


これだけ多くのキャラクタを出して、さらに3つの世界も越えるとなると話が拡散しがちですが、最後はレースの大迫力といくつもの伏線が重なって大クライマックスが用意されています。
1つだけ注文を付けるとすれば、小さい子供に配慮した結果なのか、説明がややくどく感じる所もありましたが、大きな子供は文句言う資格はありません。


文句なしに今年の春アニメのイチオシだと思います。
なお、同時上映の「紙ひこうき」も傑作!。おススメです。


リンク

■悪役でも、いいさ。「シュガーラッシュ」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー カゲヒナタのレビュー
http://kagehinata64.blog71.fc2.com/blog-entry-518.html
詳しく説明されています。

■★シュガー・ラッシュ&紙ひこうき(2012)★ - Cinema Collection 2
http://blog.goo.ne.jp/510hiro/e/f5f9c1ef6537303aa81ae862f8909807
こちらは画像入りで詳説

シュガー・ラッシュ - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%82%AC%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A5
どれくらい"小ネタ"が分かりましたか?