メランコリア(2011)/★★★☆
観たいけど「イタい」映画が苦手な私はなかなか手が出ない監督。ラース・フォン・トリアー。
でも大好きな終末映画とあって見ないわけにはいきません。
ラース・フォン・トリアー初体験です。
荘厳な音楽とともに現れる絵画のようなスーパースロー。
もう死ぬかと思いました。退屈過ぎて。
このあたりが劇場でみる人とDVDで観る人の違いですね。
劇場であれば逃げる事も出来ず観念するしかないのですが、DVDだと挫折しやすいのです。特にいきなりこれでは心が折れます。
そこをぐっとガマン。体感的には30分(実際には8分のようですが)続いたと思われるシーンの後は大きなリムジンが立ち往生する場面から始まります。
困っているんだか、楽しんでいあるんだか。不思議な雰囲気ですね。
結局、前半は結婚式での出来事。後半はその8ヶ月後あたる巨大惑星『メランコリア』が近づいてくる話です。
実は惑星がぶつかる事がすでに分かっていて、諦観した人々の話かと思っていたのですが、最後まで分からないんですね。
ただし惑星がぶつかることは、最初のスーパースローで提示されます。
とにかく不思議な雰囲気を持つ映画で、キルステン・ダンストの壊れっぷりが楽しめます。
さんざん人に迷惑を掛けまくるのですがなぜか憎めない。彼女なりに一生懸命生きている感じが伝わってきて、可哀そうにすら思えます。(ただし関わりあいにはなりたくありませんが)
そして後半。終末が近づくにつれだんだんと普通になっていくんです。
逆に他の人々は冷静さを失っていく。その対比が面白いです。
苦行と思われたスーパースローが実はこの物語のダイジェクトだった事に気がついて、もう1度最初を見返してしまいました。
そのぐらい面白い映画ですが、もう見る事はないかなぁとも思います。
■奇蹟の海
本当はこれが観たいのですが、はたして観る日はくるのでしょうか?